2010/10/15 金曜日

噛む機能の低下は痴ほう症の誘因に

Filed under: 日記 — h.nakano @ 9:41:01

biting1s.jpg脳の神経細胞を壊し、アルツハイマー病を引き起こすとされるタンパク質「ベータアミロイド」の発生量が、咀嚼運動が少ないほど多くなることを、広島大学の丹根一夫教授(歯科矯正学)のグループがマウス実験で突き止めた。論文は近く、オランダの医学誌「ブレーン・リサーチ」に掲載される。

丹根教授らは、アルツハイマー病の患者に、口の中の衛生状態が悪いケース多い点に着目。食べ物をかみにくい状態が長期化するほど、痴ほう症にかかりやすいのではないかと仮説を立て、歯が生えない先天的な病気のマウスと正常なマウスの脳と比較した。この結果、ベータアミロイドに破壊された神経細胞がつくる「老人斑」という模様が、正常なマウスの脳にはみられなかったのに対し、歯の無いマウスでは大脳皮質や海馬、視床などいたる所で見つかった。

記憶や学習能力をつかさどる海馬の正常な細胞数も、病気のマウスは通常より2割ほど少なかった。正常なマウスでも、よく噛まないといけない固形肥料を与えたマウスに比べ、噛まずに飲み込める粉末のえさで育てたマウスは、正常な細胞数が少ないことも分かった。

丹根教授は「中枢神経を刺激する咀嚼機能の低下が、痴ほう症に影響しているのはほぼ間違いない。詳しいメカニズムを解明し発症予防に役立てたい」としている。

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