2011/9/24 土曜日

歯に「トレー」をかぶせ除菌

Filed under: 日記 — h.nakano @ 9:35:12

 当院では、歯を動かした後の後戻り防止のために、上下の歯列にかぶせるマウスピースのような「歯のトレー」タイプの装置を使用していただいております。最近では装置に少し細工を加えて歯を動かすために使用することもございます。透明で目立たない装置です。

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数年前からこれらの装置の内面にフッ素ジェルなどのお薬を満たして歯質の強化と歯の再石灰化を促す取り組みを行っております。先日、関連するようなニュース『歯に「トレー」をかぶせ除菌』が報道されましたのでご紹介いたします。

 鶴見大学(横浜市鶴見区)歯学部探索歯学講座の花田信弘教授は、歯科医療の予防の重要性を強調する。口の中では、「ミュータンスレンサ球菌(虫歯菌)」と食べ物の糖を基に酸性の「バイオフィルム」と呼ばれる膜ができて歯を覆い、歯からカルシウムやリン酸が溶け出す。初期の虫歯はこうしてできる。

 花田教授らは平成12年、当時在籍していた国立感染症研究所で、ミュータンスレンサ球菌の除菌に成功。新たに除菌の仕組み「3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)」を開発した。

 「歯科では包帯が使えず、薬を塗っても唾液で流れ落ちてしまう難点があり、薬の開発も進まなかった」と花田教授。そこで3DSでは、個々人の歯に合わせて作る、上下の歯列にかぶせるマウスピースのような形のトレーを用いる。

歯科医の指導の下、トレーに薬剤を入れ、患者の歯に装着して除菌を行う。虫歯だけでなく歯周病にも使われ、トレーを装着して就寝するといった使い方をする。

 「薬が使えないため、(虫歯になってから歯を削る、抜くといった)外科的な治療ばかり行われてきた。トレーが歯磨き習慣と同じように国民に浸透し、薬を使った内科的な歯科医療が進むよう努力したい」と花田教授。

 3DSの普及により、8020(80歳になっても20本以上の歯を残す)運動への好影響などが期待される。加えて花田教授は「阪神大震災(平成7年)の後に虫歯が増えたといわれる。東日本大震災でも、被災者は避難所の水不足などにより、歯を磨かずに寝るといった生活を続けている可能性が高い。将来こうした被災者の口腔(こうくう)ケアで、この技術が貢献できる可能性がある」。

 高齢化が進み、歯の健康がより重要になっている。花田教授は「虫歯や歯周病に、より注意を払ってほしい。口の健康は、がんや呼吸器系疾患、心血管疾患、肥満、糖尿病などさまざまな病気のリスクを高めることも分かってきた」と、患者の意識改革もアピールする。

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